私が気に入っている絵画をご案内しますが、あくまで、私の個人的な嗜好であることを
ご了承下さい。
◇ クロード・モネ ◇
「サン・ラザール駅」（１８７７年、３６才、オルセー美術館所蔵）
サンラザール駅は、パリのオペラ座の北西約５００ｍの所に
あるフランス国鉄のターミナル駅（終着駅、出発駅）です。
ノルマンディー地方へ向かう列車が発着します。
モネは、駅から許可をとって、１０枚以上描いたそうです。
三角形のホーム上屋と蒸気機関車が印象的です。
うす暗い駅舎の向こうから光が差し込んでおり、新しい未
来への旅立ちを予感させます。
◇ フィンセント・ファン・ゴッホ ◇
「夜のカフェテラス」（１８８８年、３５才、クレラー・ミュラー美術館所蔵）
ゴッホが星空を初めて描いた作品ですが、黒はほとんど使って
いないそうです。
南仏・アルルの夏から初秋にかけての夜のカフェテラスです。
ガス・ランプの黄色い明かりがとても印象的です。
満天の星空の下の人々も心地よく描かれています。
石畳と丸テーブルの先にある道の奥からは馬車が向かってきています。
モデルとなったカフェは、現在も、アルルのプラス・デュ・フォルム広場に
面した場所にあり、夜は、絵と同様、黄色い光に満ちています。
◇ 熊谷守一 ◇
「櫻」 （1968年、88才、個人所蔵）
熊谷守一は、主に、小動物や植物などの生きものを描いてきた
画家です。抽象度が高い画風は、独自のスタイルです。
熊谷守一が描く小鳥、猫、虫、魚、草花等は、シンプルな輪郭線で
縁取られています。最初に強い輪郭を描き、その内部を鮮やかな
絵の具で塗っていったと思われます。
桜と小鳥（ウソ）を配した熊谷守一の「櫻」は、命あるものへの
暖かい、優しい眼差しに溢れています。桜は満開で、小鳥（ウソ）の
頬は、愛らしい紅色です。
しばしば、描かれている小鳥は「文鳥」と、更に、作品名も「文鳥」と
間違われているようですが、正しくは、描かれている小鳥は「ウソ」、
作品名は「櫻」とのことです。
